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これは今までにない技術ゆえに、実際に導入してみると不具合がなかなか後を絶たない。しかも、ネットワークでつなぐ各制御システムがどんどん巨大化すると、不具合はますます出やすくなる」ネットワーク化の代表的な例としては、トヨタがマジェスタで採用したVDIM(ビークル・ダイナミック・インテグレーテッド・マネージメント)と呼ばれる、エンジン、プレーキ、ステアリングなどを統合して制御するシステムがある。これは電子技術の塊でもあるのだが、コンピュータ制御の塊だといっても過言ではない。
このシステムのすごいところは、個々の制御システムを繋げ連動させることで、クルマの挙動が限界にくる前に異常を察知し、コンピュータでトータルに制御してしまうことだ。トヨタのVDIMには問題は生じなかったが、同じようなネットワーク化で問題を起こしたのが、メルセデス・ベンツのSBC(センソトロニック・ブレーキ・コントロール)だ。二〇〇一年新型メルセデスSLに搭載された、独ボッシュ社が開発した電子油圧プレーキSBCは、電子的にブレーキを操作する、世界でも初めての画期的な試みだった。
つまり、ドライバーがブレーキペダルを踏み込んだときの力を電気信号に変えて、それぞれの車輪についている油圧ブレーキのユニットを電子的に制御しようというものだ。ところが、この最先端技術が二〇〇四年に日本国内でもリコールの対象になったのだ。対象車種はメルセデス・ベンツの一四車種で対象台数は約三万台に及んだ。通常は正常に作動するブレーキシステムなのだが、ブレーキを踏む際、極めてかぎられた頻度ではあるがセンサーがブレーキ油圧の異常を感知して、緊急対応用(補助用)ブレーキに切り替わるという誤作動が起きてしまう。
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だが交換後に相互に連携したユニット同士が干渉しあったり、配線の接触不良が起こることもある。その結果、有償修理が度重なったりすると、お客から「あのとき廃車にしておけばよかった」と言われかねない。三条市の水害では、丸山氏は電子技術を駆使した新型車をお客さんのところから回収するのに手間取ったという。
普通のクルマなら故障しても、シフトレバーをニュートラルにすればクルマ自体は動かすことが出来る。しかし、この超ハイテク車はそうはいかなかった。駐車するときは、シフトレバーをオートパーキングに入れると機械的にロックされる。逆に始動させる際は、モーターが駆動してロックを解除するようになっている。ところが、冠水のためバッテリーは使いものにならず、しかも、二次的なトラブルを避けるためにブースターケーブルを使って通電することも出来なかった。